遠隔点呼とは国交省が、バス、タクシー、トラック事業者に対して令和3年12月27日に公布した新たな点呼制度です。
点呼には運航の安全を確保するために「乗務前点呼」「乗務後点呼」「中間点呼」があり、対面にて行うことが原則となっておりますが、「使用する機器・システムの要件」、「実施する施設・環境の要件」及び「運用上の遵守事項」を設定することで、これらの要件を満たす営業所において、営業所の優良性(Gマーク)に関わらず、遠隔拠点間(営業所−車庫間、同一事業者内の営業所間、グループ企業の営業所間)の点呼を実施可能とする遠隔点呼制度を令和4年4月1日より開始されています。
機器・システム要件
カメラ・モニター等を通じ、遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等が、被遠隔点呼実施営業所等の運転者の顔の表情、全身、酒気帯びの有無、疾病、疲労、睡眠不足等の状況を随時明瞭に確認できる機能を有すること。
適合方法
大きな画面で相手の動画を映す機能を備えており、鮮明な画像で顔の表情、全身、疲労等を確認する機能を備えております。
アルコール測定結果は、随時連携されているので運行管理者もすぐに確認することができます。
機器・システム要件
アルコール検知器の測定結果を自動的に記録及び保存するとともに、遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等が当該測定結果を直ちに確認できる機能を有するこ と。
適合方法
アルコール検知器の対応機器としまして、 東洋マーク様製 AC 011 、 AC 015 と連携しており、 測定結果をクラウドサーバーに登録することで運行管理者等が操作する画面で閲覧が可能です。
機器・システム要件
事前に登録された運行管理者等以外の者が遠隔点呼を行うことができないよう、 個人を確実に識別できる生体認証機能を有すること。
適合方法
顔認証機能を備えており、遠隔点呼開始時に 顔認証による承認を行うことで個人を確実に識別できる機能を備えております。 顔認証で個人を識別できなければ、遠隔点呼ができない仕様となっております。
機器・システム要件
事前に登録された運転者以外の者が遠隔点呼を受けることができないよう、 個人を確実に識別できる生体認証機能を有すること。
適合方法
BSSクライアント (ローカルアプリ )から遠隔点呼する際に、顔・静脈認証機能を備えており 、顔・静脈認証による承認を行うことで個人を確実に識別できる機能を備えております 。顔・静脈認証で個人 を識別できなければ 、遠隔点呼ができない仕様となっております。
機器・システム要件
遠隔点呼に必要な以下の情報が遠隔点呼を行う営業所等間で共有され、遠隔点呼時に遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等が確認できる機能を有すること。項目 (1)~(7)
適合方法
運行管理者等が操作する画面には、様々なタグが用意されており、 遠隔点呼中でもタブを選択することで、運転者台帳・健康診断の情報を閲覧することが可能です。
(1)日常の健康状態
(2)労働時間
(3)指導監督の記録
(4)運行に要する携行品
(5)運転者台帳又は乗務員台帳の内容
(6)過去の点呼記録
(7)車両の整備状況
機器・システム要件
遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等が、被遠隔点呼実施営業所等の運転者の疾病、疲労、睡眠不足等の状況を、平常時と比較して確認できる機能を有すること。
適合方法
点呼を実施することで体温、血圧を登録する項目が用意されており平常時との健康管理が可能です。血圧計を連携することで、過去分も含め点呼実施時の測定結果や平均を管理することが可能です。
機器・システム要件
遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等が、運行に使用する車両の日常点検の確認結果を確認できる機能を有すること。
適合方法
BSSスマホアプリでの日常点検機能が備わっており、BSSスマホアプリにて車両の日常点検を行うことでクラウドサーバーに日常点検データが登録され、車両の日常点検結果を閲覧することが可能です。
機器・システム要件
遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等が、被遠隔点呼実施営業所等の運転者に伝達すべき事項を確認できる機能を有すること。
適合方法
運行管理者が遠隔点呼中に、過去登録された指示事項も閲覧することが可能です。
機器・システム要件
遠隔点呼を受けた運転者ごとに、次に掲げる点呼結果が電磁的方法により記録され、遠隔点呼を行う営業所等間で共有できる機能を有すること。
(乗務前:12項目、乗務後:10項目)また、その記録は1年間保持されること。
適合方法
下記、項目(乗務前:12項目、乗務後:10項目)については自動的に保存する機能を備えております。クラウドサーバーに点呼時の内容が登録されているので、営業所間での情報共有も可能です。 また、点呼時の内容については1年間の記録保存も可能です。
(1) 乗務前遠隔点呼
イ. 遠隔点呼実施者名
ロ. 運転者名
ハ. 運転者の乗務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
ニ. 点呼日時
ホ. 点呼方法
ヘ. 運転者のアルコール検知器の測定結果及び酒気帯びの確認結果
ト. 運転者のアルコール検知器使用時の静止画又は動画
チ. 運転者の疾病、疲労、睡眠不足等の状況に関する確認結果
リ. 日常点検の確認結果
ヌ. 指示事項
ル. 運行管理者が乗務不可と判断した場合は、乗務不可と判断した理由及び代替措置の内容
ヲ. その他必要な事項
(2) 乗務後遠隔点呼
イ. 遠隔点呼実施者名
ロ. 運転者名
ハ. 運転者の乗務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
ニ. 点呼日時
ホ. 点呼方法
ヘ. 運転者のアルコール検知器の測定結果及び酒気帯びの確認結果
ト. 運転者のアルコール検知器使用時の静止画又は動画
チ. 自動車、道路及び運行の状況
リ. 交替運転者に対する通告
ヌ. その他必要な事項
機器・システム要件
遠隔点呼機器の故障が発生した際、故障発生日時及び故障内容が電磁的方法により記録される機能を有すること。また、その記録は1年間保持されること。
適合方法
故障記録の保存機能について、運転者側のクライアントアプリにつきましては、ローカルPCのアプリケーションフォルダ内に電磁的に1年間以上自動保存されます。
また、削除される恐れもあるため、クラウドサーバーにも保存されます。
運行管理者側のクラウドアプリにつきましては、クラウド管理下となり、ローカルPCには保存されず、全てクラウドサーバーに保存されます。
また、エラーログを含めたすべてのログが1年間以上 自動的に保持されます。
機器・システム要件
電磁的方法で記録された遠隔点呼結果及び遠隔点呼機器の故障記録の修正及び消去ができないこと、又は修正された場合に修正前の情報が遠隔点呼結果に残り消去できないこと。
適合方法
遠隔点呼結果や故障記録を含めた、全ての操作を保存しておりますが、ユーザーによって修正や消去をすることは出来ません。
遠隔点呼結果につきましては、クラウドアプリ側にて操作履歴を残しており遠隔点呼結果を修正されても修正前の情報が残り、ユーザー側で消去をすることは出来ない仕様になっております。
機器・システム要件
電磁的方法で記録された遠隔点呼結果(9.(1)ト.及び(2)ト.を除く)及び遠隔点呼機器の故障記録が、
機器・システムで保存された内部構造のまま、一括でCSV形式の電磁的記録として出力できる機能を有すること。
適合方法
電磁的方法で記録された遠隔点呼結果については、CSV出力機能を備えておりますので、CSV出力することが可能です。
遠隔点呼機器の故障記録については、クライアントアプリ・クラウドアプリのログについては、クラウドサーバーに保存されている事から、ユーザー側から直接データにアクセスすることは出来ません。
そこで、データ管理者である弊社より故障発生時のユーザーログについては、一括でCSV形式に出力し、故障部分のエラーログを明示する形で、ユーザーに提供をすることが可能です。
施設・環境要件
カメラ、モニター等を通じ、遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等が、被遠隔点呼実施営業所等の運転者の顔の表情、全身、酒気帯びの有無、疾病、疲労、睡眠不足等の状況を随時明瞭に確認できる環境照度が確保されていること。
なお、被遠隔点呼実施営業所等の運転者の顔とカメラの間の照度は500ルクス程度が望ましい。
適合方法
一般的な事務作業に支障のない明るさが確保できていること。
(JIS Z 9110:2010照明基準総則より抜粋)
施設・環境要件
被遠隔点呼実施営業所等の運転者の全身及びアルコール検知器の使用時の状況が確認できるよう、被遠隔点呼実施営業所等の点呼場所の天井等に監視カメラ等を備え、遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等が必要に応じ映像を確認できること。
適合方法
録画機能を備えた監視カメラを点呼場所に取り付け、点呼時の映像確認が必要な場合に閲覧できるようにする。
施設・環境要件
遠隔点呼が途絶しないように必要な通信環境を備えていること。
遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等と被遠隔点呼実施営業所等の運転者の対話が妨げられることのないよう、必要な通話環境が確保されていること。
適合方法
明確な適合要件は設定なし
遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等は、遠隔点呼を遺漏なく行うため、運行中の車両位置の把握に努めること。車両位置の把握手段の例として、GPS 等による車両位置管理システムの活用等が挙げられる。
引用元:国土交通省 遠隔点呼実施要領についてpdfより抜粋
遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等は、被遠隔点呼実施営業所等の運転者の携行品の保持状況又は返却状況を確認すること。
確認手段の例として、監視カメラ等による携行品置き場の状況確認、機器・システムによる携行品の有無検出等が挙げられる。
引用元:国土交通省 遠隔点呼実施要領についてpdfより抜粋
グループ企業との間で遠隔点呼を行う場合は、必要に応じ、遠隔点呼に必要な情報の取扱い等に係る契約を締結すること。
引用元:国土交通省 遠隔点呼実施要領についてpdfより抜粋
遠隔点呼実施営業所等の運行管理者は、遠隔点呼により運転者が乗務することができないと判断した場合は、直ちに被遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等に連絡すること。
また、被遠隔点呼実施営業所等は、交替運転者を手配する等の代替措置を講じることができる体制を整えること。
引用元:国土交通省 遠隔点呼実施要領についてpdfより抜粋
機器の故障等により遠隔点呼を行うことが困難になった場合に、被遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等による対面点呼又は当該被遠隔点呼実施営業所等で実施が認められている点呼を行うことができる体制を整えること。
引用元:国土交通省 遠隔点呼実施要領についてpdfより抜粋
運行管理者等及び運転者の認証に必要な生体情報、運転者の体温や血圧等の個人情報の扱いについて、あらかじめ事業者が対象者から同意を得ること。
引用元:国土交通省 遠隔点呼実施要領についてpdfより抜粋
事業者は、遠隔点呼の実施に関し必要な事項について、あらかじめ運行管理規程に明記するとともに、運行管理者や運転者等の関係者に周知すること。
引用元:国土交通省 遠隔点呼実施要領についてpdfより抜粋
遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等は、地理情報や道路交通情報等、業務を遂行するために必要な情報を有すること。
引用元:国土交通省 遠隔点呼実施要領についてpdfより抜粋
遠隔点呼実施営業所等の運行管理者等は、面識のない運転者に対し遠隔点呼を行う場合は、あらかじめ運転者と対面又はオンラインで面談する機会を設け、遠隔点呼を受ける運転者の顔の表情、健康状態及び適性診断結果その他の遠隔点呼を行うために必要な事項について確認すること。
引用元:国土交通省 遠隔点呼実施要領についてpdfより抜粋